私たちは生体試料、たとえば尿や血液など、非常にたくさんの物質が混在する中から微量な成分を抽出・測定することを主に行っています。病気の予防、診断、治療の効果の評価などには客観的な生体情報が必要ですので、、世界中の病院や検査センターなどで日々生体試料分析が行われています。私たちはこのような分析技術の基礎を習得し、これを環境疫学分野に応用しています。環境中に放出された化学物質は多かれ少なかれ体内に入る可能性はおおいにあります。この化学物質が私たちの健康に影響するリスクはどれくらいの大きさなのか、これを知るための基礎情報である「化学物質の曝露レベル」を明らかにする方法を開発し、実際の生体試料に応用しています。

Our primary goal: The current risk assessment of human exposure to relatively low-level pesticide or insecticide (not a cause of acute toxicity) is generally based on the estimation of ambient monitorig such as food, air and water. Limited data are available on individual exposure levels in human studies, which is partly attributable to the difficulty in biological monitoring of pesticide exposure. This obstacle has been overcome in recent years due to the evolution of analytical chemistry. Separation and sensitive identification and
quantitation of urinary pesticide and/or its metabolites are today reliably made with liquid chromatography-mass spectrometry
and gas chromatography-mass spectrometry base apparatus. We will develop a biological monitoring technology of pesticides and the other chemicals, including the measurement method, handling condition of human specimens, and understanding the cause of variataion of chemical concentration in the specimens.

私たちの測定の特徴

we have unique characteristics

 

真の定量値を得るのは不可能ですが、それに近づくために先人たちは努力を積み重ねてきました。科学技術の進歩により、ひと昔前と比べて格段にサンプル前処理技術や測定機器の性能は向上しましたが、まだ解決すべき測定値に関する問題、困難が立ちはだかっています。この研究室では「わけて、かんどよく、たくさん、正しくはかる。」をキーワードに、日々奮闘しています。


 

こんにちは。名古屋大学 医学部・大学院医学系研究科の上山純と申します。

検査技術教育では、臨床化学や一般検査学などの講義および実習等を担当しています。

また、研究では主に生体試料から低分子をターゲットとした高感度測定法を開発し、臨床検体や疫学調査に応用することで疾患メカニズムの解明や化学物質の曝露評価に関する研究を行っています。

医療技術の進歩はとても早く、多くの発見も成し遂げられましたが、まだまだ解決・発展しなければならないことがたくさんあります。

臨床検査技術の知識と経験を活かして、いまはまだ目の前の課題に真面目に取り組むことが主ですが、いずれは10年、20年先を見据えたチャレンジをしてみたいと思います。

 

これまで、研究にご参加いただきました一般市民のみなさま、学生さん、共同研究の先生方ならび研究室スタッフにこの場をお借りして感謝申し上げます。

 

もしも研究室に興味のある学生さんは是非研究室に訪れてみてください。

学部担当科目(主):臨床化学検査学Ⅰ、一般検査学Ⅰ、保健行政論、検査管理総論、公衆衛生学実習、臨床化学実習

 

Areas of Expertise: Analytical chemistry in chemical exposures and toxicology (e.g. pesticides, repellent, or the contaminants in food), and clinical chemistry using separation analysis. 



大学生のみなさんへ

さぁ、はじめましょう

本研究室の主役はもちろん学生です。大学院を修了するころには、分析機器の使い方だけでなく、総合的な分析法の開発や運営についての感覚が「ちょっと」身についた気になれます(あまくないです)。でも、そんなディープな世界に足を踏み入れてみて、もし面白そうだと思えば徹底的にやってみましょう。

 

修士学生の就職先

株式会社デンソー(健康管理)、ツムラ 2名(研究職)、LSIメディエンス(ドーピング検査関連)、SRL、ファルコバイオシステム、住化分析センター(研究職)、愛知県がんセンター、愛知県衛生研究所等

ない中での発想、解決

上山研究室では自分で発想あるいは解決しなければならない場面によく出くわします。ひとつは、時間的および経済的な問題が例に挙げられます。もっと高感度な機種があれば、、自動分析装置があれば、、もっと、、、。きりがないですね。一緒に悩んで最善な方法で解決しましょう。

臨床検査教育

学部における臨床検査教育にも本研究室で実施する分離分析は大いに役立っています。また、質量分析についてはこれから研究レベルでの使用だけではなく、臨床の現場で役立つような取り組みも進んでいまあすので、機器の使い方だけでなく、何ができて、何ができないのか、どういう問題を解決する必要があるのかなど、本研究室で学べます。